『金唐革紙(きんからかわかみ)』岩崎邸から、最終回は壁紙のお話し。
明治時代の日本の「工芸の技術」の水準の高さを示す壁紙。
まずは、美しさを堪能してみてください。
ガイドツアーでも詳しく説明があると思います。
修復工事のメインとなるのが、この「壁紙」の復元でした。
ヨーロッパでは通常、なめし革を使い、金箔とニスで仕上げますが、
そこを日本人は
「和紙」でアレンジしました。
桜の丸太丈の「ロール版木」に和紙を巻き、凹凸をつけ、筆で彩色します。
この技術には、和紙+浮世絵の版木彫り+漆塗りや着物の彩色技術など
日本伝統の工芸技術の全てが生かされるわけです。
これがヨーロッパで大ブレイク。
日本の輸出品として大いに盛んになったそうです。
ところが、人気が出てくると、大量生産の粗悪品が出始め、
せっかくの評判を傷つけることになり、産業事態が下火になります。
昔も今も同じですね。
人って学習しないんでしょうか?
そして、すたれたこの技術。
それに、決定的なダメージを与えてくれたのが、駐日アメリカ軍でした。
なんと、この、デリケートな壁紙の上に、
「ペンキを塗ったくった」んですって。
もう、色も模様もわからないところでしたが、
わずかに残ったドアの桟のところの塗り残しがみつかり、
ほぼ同じものを再現できたのだそうです。
この屋敷の受難も含め、時代の教訓もちょっと思い起こしてみてください。
これからの私たちのために。